信州ぐだぐだハンティング

信州生まれ信州育ち6年間不登校だった社会人一年目のひよっこハンターが、ネットや雑誌や人から聞きかじった情報をもとにアウトドア遊びをした活動日記。

教習射撃!!パート2

f:id:gokou_ayane:20200106171030p:plain

 

 

受付で今日使う分の散弾実包50発を受け取る。

 

今回はスキート射台で行うようである。

スキートとは、

半円形に並んだ8か所の射台からクレーを撃つ競技で、射台にあるマイクでプーラーさんに声で合図を送ると、赤い場所から左右一枚ずつと同時に二枚、決まった順番でクレーを出る。それを一枚につき一発で撃ち落とす競技である。

f:id:gokou_ayane:20200110095414p:plain



猟友会は基本的にこれで練習をするらしい。

 

今回は指導員が指示した射台のみで飛んでくるクレーも楽な方向のみらしい。

 

受付時に渡されたゼッケンの番号順で試験を行うとのことでA氏、私、B氏の順番となった。

 

指導員

「25発で交代していきます。一回目の25発は練習です。最初の二発は反動に慣れるためにとりあえず撃ってみてください。足元にマイクがあるので自分のタイミングで声を出すとプーラーさんが的を出してくれます。今日は2枚以上割れば合格です。1番と7番の自分の後ろから出てくるクレーが楽なので多めにそこで撃ち、難しい4番5番はやりません。銃に装填するとき弾は必ず一発だけ入れるようにしてください。さぁ頑張りましょう。」

 

とのこと。

まずは箱にきれいに詰められている散弾実包をベストのポケットの中へ。

初めての実弾に手が震え、数発取りこぼしてしまう。

 

慌てて拾い大きく息をつく。

 

 

弾が25発ポケットに入れたことを確認して箱をつぶす。

 

 

指導員から銃を預かりAさんが射台に入る。

緊張した面持ちで銃に弾を一発込めて構える。

 

 

 

 

トカァァン…

ポンッ

 

スチャ…

 

トカァァン…

ポンッ

 

耳栓のおかげでマイルドになった銃声が耳に入る。

撃った後に銃を折って廃きょうすると空薬きょうが間抜けな動きで飛んでいく。

 

以前見学に数度来ていたこともあり慣れてはいるが、やはり普段聞かない炸裂音に体が強張る。

 

 

そして撃ったA氏はというと。

 

にやにやしている。

すごくにやにやしている。

 

40代だろう大柄な成人男性が新しい虫取り網を買ってもらった虫好き少年のような顔をしている。

 

ものすごく顔がキラキラしている。

 

 

指導員「それじゃぁ1番射台に入りましょう。的の少し先を狙って撃ちましょう。」

 

A氏は気を引き締め直したようでしっかりとした面持ちで射台に向かう。

 

1番では6枚撃つらしい。

 

A氏「ハイッ」パカーン!

  「ハイッ」…カシャン

  「ハイッ」…カシャン

  「ハイッ」パカーン!

  「ハイッ」…カシャン

  「ハイッ」パカーン!

 

外れたクレーが最後に壁にぶつかり割れる音がむなしい。

 

A氏は隣へ。

~~~~~

 

結局A氏は合計10発当てていた。

 

1番6発

2番4発

6番4発

7番残弾全部

 

の枚数を撃っていくらしい。

 

しかしA氏、ものすごくうまい。

 

クレーは数度見学していたがその時でも10枚以下の人はいた。

 

ものすごいプレッシャーである。

この時ふと先輩が「教習射撃で2枚以下なら罰ゲームですわ。」と、

言っていたことを思い出す。

 

頼む冗談であってくれ。

 

A氏が25発撃ってしまったので次は私の番である。

 

 

腰のベルトにぶら下げたタオルで手汗を拭く。

寒いはずなのにびしゃびしゃである。

 

銃架にかかっている銃を手に取る。

…重い。

さっきは軽く感じたのに。

 

心臓がバクバク暴れまわっているなか私は「ジッポウナシ!イブツナシ!」と素っ頓狂な鳴き声を上げ、開放したまま1番射台へ。

 

 

(教習射撃!!パート3へ続く)

教習射撃!!パート1

f:id:gokou_ayane:20200106171030p:plain



 

11月の終わりのとある日。

朝4時に起床。

とても早起きしたが今日はハンティングではない。

 

今日は教習射撃である。

 

教習射撃とは装薬銃(火薬を使う銃)を所持するための実技試験である。

空気銃は猟銃等講習会(初心者)で行われる筆記試験に合格すると発行される講習修了証明書(有効期間3年)があると所持許可申請ができる。

しかし装薬銃では教習射撃というクレー射撃の実技試験に合格しないと申請できないのである。この教習射撃は射撃場が指定する日時に銃の取り扱いとクレー射撃を行う試験を受ける。

 

そして合格すると3か月以内に散弾銃の申請が行える。

3か月以上経過すると無効になるため欲しい散弾銃が決まってから受けた方がいいだろう。

 

 

私の場合は散弾銃はすぐに決まったが、仕事の都合でなかなか指定の試験日に日程が合わなかった。

 

最初に申し込んだときは急な仕事の対応でキャンセル。

2回目に申し込んだときは射撃場の勘違いで違う日付を伝えられ受けられなかった。(この時の射撃場の対応がアレだったので別の射撃場に変更した。)

 

そして今回、三度目の正直で少し離れた県内の射撃場に年内最後の試験に滑り込みで予約を入れて何とか受けられることに。

 

前日に用意していた荷物をもう一度チェックする。

必要な書類等

ヨシ

教習費用

ヨシ

耳栓、タオルなど

ヨシ

 

大丈夫そうだ。

いざ車に乗り込む。

 

道中は下道で2時間ほど。

t+pazoliteさんのアルバム「see you again,HOLLOWood」を聴きながらトコトコ向かう。

 

目的地の射撃場は何度か先輩たちの射撃を見学しに訪れていたのでナビを併用して迷わず到着できた。

 

時間は会場20分前。

 

タイムスケジュールはぱーぺきである。

 

車内で優雅にぼそぼそのコッペパンとぬるい缶コーヒーの朝食をとっていると射撃場の管理人さんと思しき人が向かってきた。

 

「もう受付できるでなー。」とわざわざ伝えに来てくれた。

 

 

早速管理棟の受付に。

 

すでに一人が書類に記入している。

 

今日は午前中は教習で貸し切りのため同じ受験者だろうと声をかける。

私「今日はよろしくお願いします~」

 

A氏「どうもー」

と愛想のいい笑顔とともに応えてもらった。

 

2人で記入を終えると教科書2冊と数字の書かれたゼッケン、ベストを渡された。

A氏は耳栓が無いようで無料レンタルのイヤマフ(ヘッドホンみたいなやつ)を受け取っていた。

私は構えた時に干渉しそうだったのでスポンジの耳栓タイプ。

 

まずは座学を受けるために二階にある講義室へ。

 

こじんまりとした講義室は長机と椅子が並べられ20人ほどが座れるようになっていた。

あったかい…ストーブが効いてる…

 

その日はとても冷え込んでおり、吹き抜けの受付は寒くて手が悴んでしまい、うまく文字が書けないほどであった。

 

席は指定されていないようなので教室の右側一番前に荷物を置いて場所を確保しすぐにストーブの前に。

 

A氏は数席となりに荷物を置き同じくストーブに。

 

 

A氏はなんでも県の北端から来たらしく片道約100kmの遠征だそうである。

狩猟のために受験したとのこと。

 

温まりながら雑談しているともう一人の受験者のB氏と今日の試験監督をする指導員が来た。

 

受験者は3人のようである。

最初に約2時間ほど座学を行い銃の取り扱いと分解結合に関する実技試験を行う。

 

眠気と戦いつつ座学は終了し、銃の取り扱いの実技試験も無事にパス。

少し時間が余ったのでグリップの仕方やスタンス等の追加講義を行うことに。

 

今日使うミロク社製上下2連銃を構える。

座学に行った分解結合でも同じ銃を使ったがやはり、軽い。

すでに持っているエアライフルと同等か。確実にサバゲーで使っているエアソフトガンよりは軽い。

 

頬に銃を押し当てて狙いをつける。

 

リブ(散弾銃特有の銃身上にある狙いをつけるための溝)を通して照星(銃口の上にあるでっぱり)を見る。

照星が緑色のファイバーに変更されていて非常に見やすい。

 

これならば当たるかもしれない。

数度構えては下ろしを繰り返して机の上へ。

 

A、B両氏も構える練習を数度繰り返す。

 

 

そうしていよいよ射撃のためにクレー射場に移動することとなった。

 

 

(教習射撃!!パート2へ続く)

ジビエ料理を作ろう!(恐怖のキンクロハジロ篇) パート2

 

さて気を取り直して精肉していく。

むね肉を2枚切り取る。

すごい。

魚介の臭いがする。

 

これは近所の川で釣ったウグイを食べようとワタを抜いた時と同じ臭いだ。

 

見た目は鳥なのに魚の臭いがする。

とても不思議である。

 

むね肉は散弾が当たった場所に血が固まりゲル状になっている。

よーく洗って血を落としつつ弾が残っていないか確認する。

 

さて、この臭いだと絶対鍋にしてはいけない。

おそらく真の闇鍋が出来上がるだろう。

 

やはり焼くか。

 

とりあえず全てのむね肉ともも肉に塩を振る。

きつめに振る。

そしてぶつ切りにして串にさしグリルの中へ。

 

着火してから少し経つとやはり独特な臭いが充満してくる。

換気扇は回しているはず。

 

グリルの中で脂が落ち、じうじうとお肉の焼ける音がする。

コガモヒヨドリの時はこの音がおいしそうに食欲をかき立てた。

だが、今回は。

 

さながら地獄で苦しむ亡者の声のような、そんなおぞましい音に聞こえる。

 

片面が焼けたので一旦グリルをあけてひっくり返す。

うむ。生臭い。

 

数分後。

 

焼けた。焼けてしまった。

 

とりあえず一緒に松本一本ネギを焼いておいたので一緒に盛り付ける。

 

そして特製ショウガモヤシをともに食卓に並べて準備完了。

いざ実食。

 

 

「うぐっ!」

 

予想していた風味が口に到来する。

 

血抜きに失敗したレバーに決してきれいとは言えない川で釣ったウグイの塩焼きを足して3で割ったような味。

 

噛めば噛むほど風味が強くなる。

 

こんな味の肉がこの世にはあったのか。

個性的で面白い味だ。

とっても。

 ヒヨドリの時に何気なく作った

“自分で獲った鳥は必ず塩焼きで素材の味を確かめる”

ルールをこの時ばかりは後悔した。

己を呪った。

しかし後悔先に立たず。

時すでに遅し。

 

焼き鳥を一口食べてネギを二切れ。ネギの旨味を最大限に味わう。

焼き鳥を一口食べてショウガモヤシをほおばる。ショウガの清涼感を舌全体で感じる。

 

うむ。

付け合わせが無かったら確実にやられていた。

RPGの回復役キャラクターのように私の傷ついた味覚を正常にしてくれる。

 

しかし回復魔法を使うとのMPが無くなるように、焼き鳥を一串食べきったところで付け合わせのネギとショウガモヤシが無くなってしまった。

 

 

素材の味は確かめた。

 

これでもうルールは守った。

 

残りは焼肉のたれで絡めよう。

そうしよう。

 

早速肉を串から外してフライパンへ。

ニンニクと七味唐辛子、はちみつを追加した焼肉のたれで絡め焼く。

 

臭いはごまかせたようである。

さて味は。

 

うむ。

遠くでウグイが跳ねている。

しかし何とかなりそうだ。

 

無理やり口に押し込み一息に飲み込む。

 ごちそうさま。

 

なんとか食べきったはいいが、口の中でキンクロハジロが飛び回っている。

 

この臭い、どうしたものか。

 

そうだ!!!!!ジャスミン茶があった!!!!!!!

 

そう、ちょうど家には職場関係の方が台湾に行った際お土産で買ってきてくれたジャスミン茶のティーバッグがあった。

早速ソロクッカーとコンパクトバーナーでお湯を沸かしお茶を淹れる。

 

ジャスミン茶の芳醇な香りが男やもめの薄汚れた空気感を清浄な空間へと昇華させるようだ。

一口啜る。

 

おいしい…ホロリ。

 

心と体に染み渡るジャスミン茶。

ジャスミン茶のおかげで飲みきるまでのひと時。

 

非常に優雅で贅沢な時間に浸れた。

 

その後わたしは部屋中に消臭剤を吹き付けながら、これからキンクロハジロを見かけても無視することを固く、固く心に誓ったのである。

 

 

ジビエ料理を作ろう! 恐怖のキンクロハジロ篇 終)

ジビエ料理を作ろう!(恐怖のキンクロハジロ篇) パート1

f:id:gokou_ayane:20191210140233p:plain



キンクロハジロを獲った日の夜。

 

(その時の様子はこの記事)https://gudaguda-outdoor.hatenablog.com/entry/2019/12/17/163221

 

先輩との協猟で獲った初めての獲物。

腹に弾を受けているのでその日のうちに捌くことにした。

改めてキンクロハジロをネットで検索してみる。

 

『海ガモの仲間はまずい!!』『魚介の味がする』『ザリガニ水槽の味』

・・・・・・。

 

見なかったことにしよう。

 

ツイッターに投稿して先輩たちの反応をみる。

 

『海ガモはすごいよ!』『まじかよ』『牛乳や酒に付けてしまうと風味が損なわれる。そのまま食べよう。』

 

・・・・・・。

 

解体をはじめよう。

 

使い捨てマスクと手袋を装備。

黒いビニール袋からヤツを取り出す。

やはりコガモとは違う臭気。

羽根をむしる。

 

・・・・・・。

 

帰宅してから冷蔵庫に入れていたため皮下脂肪が固まったのかぐにゅぐにゅと固いゴムに覆われているような感触。

 

抜きづらい。

 

お湯をかけて抜きやすくしよう。

 

シンクの中にヤツを置き、鍋一杯のお湯を沸かしてぶっかける。

 

 

「グフッ!」

 

 

 

鳥の羽毛臭と独特の生臭さをたっぷり含んだ蒸気をもろに顔面に受けてしまった。

この生臭さはどう例えればいいのだろうか。

 

タラの白子の嫌な部分を凝縮したような感じだろうか。

 

ある種まろやかな内臓の臭みは語彙力の乏しい現代っ子には例えようがない。

 

これは皮を剥こう。

そしてじっくりとグリルで焼いて脂を落とそう。

 

羽根抜きもそこそこに皮を剥いていく。

やはり皮が分厚い気がする。

 

皮を剥ぎ、精肉していく。

その前に残ったすなぎもとハツ、レバーを取り出す
お腹を開いて引っ張り出す。

 

 

「…?…!!うわクサ!わははははははは!」

 

思わず笑ってしまうほどの臭気。

 

しかも想像以上にすなぎもが大きい。

 

恐る恐る割ってみる。

右上がむね肉

左上がモモ肉

左下のごろっとしたのがすなぎも。

 

私は実家でミシシッピアカミミガメ通称ミドリガメを飼っている。

私が5歳頃にホームセンターで出会い、かれこれ20年ほどの付き合いである。

プラの衣装ケースで飼育しており一週間に一回水替えをする。

その時はフンが溜まって非常に臭いが出る。

 

なぜかその時の記憶がフラッシュバックする。

 

 

そう全く同じ臭いだ。

 

 

すなぎもは止めておこう。

その他内臓系も今回は止めておこう。

 

 

ジビエ料理を作ろう!恐怖のキンクロハジロ篇 パート2へ続く)

ジビエ料理を作ろう!(コガモの塩焼きと鴨だしソバ篇)

f:id:gokou_ayane:20191210140233p:plain



 

2回目の出猟の午後。

 

初めての単独猟でゲットしたコガモ

調理法をネット検索する。

科学万能の時代万歳である。

 

調べるとコガモマガモに並ぶおいしいカモだという。

ヒヨドリの時に作った

“自分で獲った鳥は必ず塩焼きで素材の味を確かめる”

マイルールがあるため半分は塩焼きに決定。

 

 

体長が小さいため肉の量は少ないが良い鴨ダシが取れるため汁物がうまいらしい。

鴨の汁物か……

 

……ソバしかない!!!!!!!!!!

 

さて料理も決まったところで捌き始める。

 

使い捨てのマスクと手袋を装備

まずは内臓を抜く。

肛門(鳥類は総排泄腔というらしい)に縦に切り込みを入れ指で内臓を引っ張り出す。

 

内臓は一切傷ついていないため臭いはしない。

腸がすべて出ると次いで胃袋、砂嚢(すなぎも)、肝臓、心臓(ハツ)が取り出せる。

 

今回はすなぎもとハツを食べてみることにした。

 

次に羽根をむしっていく。

皮が意外としっかりしているのでプチプチ抜ける。

 

翼にワンポイントで入っているジェイドのようなグリーンがとてもきれいだ。

これはクジャクの羽根のように羽根の表面が凸凹しておりそれに光が反射することで色が見える構造色というものらしい。

 

すべての羽根を抜き取り、残った羽毛はコンロであぶって除去する。髪の毛の燃えたような独特の臭いが立ち込める。

羽根をあらかた除去した姿がコチラ。

 

f:id:gokou_ayane:20191220182805p:plain

 

脂はそこそこ乗っているようだ。

残ったうぶ毛を根気よく抜いていく

 

そしていよいよお肉にしていく。

 

胸骨に沿ってまず1本切り込みを入れ、そこから外に向かって剥がすように胸肉を外していく。

 

手のひらの半分ほどのサイズの胸肉が取れた。

 

塩焼きはこの胸肉を使うことに。

 

残りのモモ肉と骨はソバにすることにした。

 

むね肉、すなぎも(写真左)、ハツ(写真右)は塩焼き用にぶつ切りにして串に刺してグリルの中へ。

f:id:gokou_ayane:20191220182932p:plain

 

モモ肉は長ネギの葉っぱと鍋の中へ

 

グリルの中ではじうじう脂の焼けるいい音が。

 

ソバつゆもダシが出たところで味を調えてソバを投入。

焼いた松本一本ネギを乗せて完成。

 

塩焼きもちょうどいい焼き加減でグリルから取り出す。

 

 

見た目も香りも期待が持てる。

いざ実食。

 

まずは胸肉の塩焼き

 

うまい。・・・うまぁああっぁぁぁあああああい!!!!!

 

あとから旨味が来る系のお味。

皮つきで焼いたのが正解だった。

脂も思っていた以上に乗っている。

 

お次はハツとすなぎもを。

 

独特な触感で噛みごたえが楽しい。

嫌な臭いも全くしない。

 

お次は鴨だしソバ。

鴨の透き通った脂が汁に浮いている。

 

まずは汁から。

うむ。鴨のだしがしっかり出ている。

 五臓六腑に染み渡る…

 

ソバを啜る。

うまい。

惜しむらくはこのソバが乾麺だということ。

 

やはり生めんで食べたい。

知り合いががソバを打っているので今度頂戴しに行こう。

その時はコガモか、青首を!

 

ねぎも焼いたことで香ばしさと甘みがいいアクセントになっている。

 

気付くと汁まで飲み干し完食していた。

 

コガモ、うまい。

 

見かけたら優先的に獲ることを心に決めた夕餉であった。

 

ジビエ料理を作ろう!コガモの塩焼きと鴨だしソバ篇 終)

 

アパート騒動記

f:id:gokou_ayane:20191220101347p:plain



 

これは私がエアライフルを購入し、自宅保管を始めてから一週間ほどたった9月初旬頃のお話。

 

その日は仕事の打ち合わせが伸びてしまい残業をしていた。

作業もひと段落が付いたのでふとスマホを見ると着信履歴が1件入っていた。

着信時間は19時、発信先を見てみるとアパートの管理人であった。

 

管理人はアパート近くにある家族経営工務店のご夫人。

年齢は50代後半といった感じ。

入居時の挨拶では優しそうで田舎のお上品そうなおばさまといった印象であった。

 

着信が来てから30分ほど過ぎており遅い時間であったが、管理人から電話がかかってくることは初めてのことだったのでとりあえずかけ直してみることにした。

 

「もしもし○○アパート201号室(仮)の五更アヤネです。先ほどお電話を頂いたようですがどういったご用件でしたでしょうか。」

 

管理人

「あ、五更さんね?今日、あなたの部屋と反対の部屋の人の室内灯交換工事を間違ってやっちゃったの。私は業者の人に205号室の工事って伝えたんだけど、業者の人が『鍵があわない。反対の部屋(私の部屋)のはずだからそっちの鍵を渡してくれ。』

と言われたので五更さんの部屋の鍵を渡しちゃった。そういうことだからごめんなさいね。」

 

私は事態が理解できず「はぁ。」と間の抜けた相槌を打ってしまった。

 

そこに丁度上司が仕事の話をしに来たので、再度折り返しの電話をするといって電話を切った。

 

上司と打ち合わせをしている間も管理人の話が頭の中でぐるぐるしている。

 

上司と数分の会話を終えて、いったん落ち着いて考える。

 

家に工事業者が間違って入った?

部屋めちゃくちゃ散らかってるから恥ずかしいなぁ。

掃除をしておけばよかった。

 

ちょっとまって間違って入るってどういうことだ?

なんでカギを渡す?なんで入る部屋を確認しない?

普通工事があるなら事前に連絡しないのか?

 

そうだ今家には実銃があるんだ。

 

ガンロッカーのカギはマスターキーなら肌身離さず持っているけどスペアキーの隠し場所がもしバレていたら?

銃が盗まれていたら?

そもそも挨拶の時にガンロッカーがあるから何か部屋に関することがあったら連絡するように伝えたよな?

 

一気に事態の深刻さに思い至り顔が青ざめるのが分かった。

それと同時に人生で久しぶりに自分は怒っていると自覚した。

 

すぐに管理人に電話する。

 

 

管理人

「はいもしもs」

 

「先ほどお電話しました五更です。先ほどの件を改めて説明をお願いします。」

 

管理人

「だからね、205号室の人から『お風呂場の電気が付かない。入居後保障期間だから管理人さんなんとかして。』ってお話があったの。それで原因を調べてもらうために業者さんに205のカギを渡してお願いしたの。でも業者さんは『鍵が開かない。こちらの書類だと反対の部屋になってるからそっちのカギを渡してくれ。』って言われたの。」

 

管理人

「だからカギを渡して作業してもらって、原因は電球が切れてただけだったみたいだから電球交換をしたの。それで、後になって205号室の人から連絡が来て間違えたことに気が付いてそっちも取り換えたの。」

 

私と相手の部屋は廊下の端と端で図のような感じ。

しっかり部屋番号を確認すればわかるはずである。

 

f:id:gokou_ayane:20191220095426p:plain

 

 

 

管理人

「今回の費用は全部大家さんに請求しますし、あなたの部屋もちょうど電球が切れていたそうだしちょうどよかったじゃない。それじゃあそういうことなので失礼しまs」

 

「ちょっと待てください。なぜ反対の部屋のはずなのにちゃんと確認せずカギを渡したんですか?それに今朝シャワーを浴びた時電気はつきましたよ。」

 

管理人

「でももう交換しちゃったから。」

 

(なんだそれ…)

「そうですか。しかしなんで工事があるときに事前に私に連絡が無かったんですか?」

 

管理人

「でも205号室の人にはしたから~。」

 

「入る部屋番号の入居者に連絡するのが筋じゃないですか?201に入るのに205の人に電話するっておかしくないですか。契約書の特約事項にあるように私の部屋には銃があります。もうこのようなことはやめてください。必ず私の部屋で何か作業があるときは仕事を休んで立ち合いますから。」

 

管理人

「ハイ分かりましたすみませんでしたおやすみなさい~」

 

うそだろ電話を切られた。

 

理解している様子が無く暖簾に腕押しといった印象。

しかも電話を向こうに切られるとは。

 

この管理人にこれ以上話しても埒が明かないと悟った。

私は翌日、朝一番で部屋選びで利用した大手不動産仲介業社さんに駆け込んだ。

 

「かくかくしかじか」

 

担当さん

「それは大変申し訳ありませんでした。しかしこういったトラブルは大家さんと直接お話をお願いしております。こちらとしては苦情として記録をお取りしますが直接管理人とは交渉いたしかねます。」

 

確かにそのとおりである。私も仲介業者には苦情記録を残して貰いたかったために来たのでその旨を伝え、次回何かあった場合引っ越しを検討したいので別アパートの資料をお願いした。そしてこれから大家さんに連絡することを伝えると、仲介業者から大家さんにあらかじめ連絡を入れてもらえることに。

 

 

その日の昼食時、大家さんから電話が来た。

 

大家さんも今回の件では管理人の行動が理解できない様子だった。

 

丁寧な謝罪があり管理人に猟銃のある部屋ということを別としてもそういった対応は今後しないようにと強く話したとのことだった。

 

私も大家さんから改めて管理人に

・錯誤が疑われるなら簡単にかぎを渡さないで欲しいこと

・部屋に立ち入る工事は必ず立ち会わせてほしいこと

 

などを伝えてほしいとお願いした。

 

 (本当は切れている可能性の極めて低い私の部屋の電球が切れていたという恐らく虚偽の報告をしたことも伝えたかった。)

 

今回は仲介業者さんと大家さんの本当に丁重なご対応で心が救われた。

そしてなぜか大家さんにジビエ肉を渡す約束を交わし今回の件は幕引き。

(なおこのブログを書いている現在まで管理人から正式な謝罪は無い。)

 

結論

アパート選びは慎重に!

 

追記

こういった銃所持者に瑕疵がまったく無くても、ご近所トラブルなどに巻き込まれたりしたら、銃砲店への保管依頼をするように言われる場合や自主返納を進められたり、最悪の事態で猟銃の盗難や事故が発生した場合は逮捕される可能性があります。いろいろな安全対策を取りましょう。

 

(アパート騒動記 終)

ジビエ料理を作ろう!(シカ肉のすき焼き篇)パート2

f:id:gokou_ayane:20191210140233p:plain

 

 

 

スキレットを十分に熱してから牛脂を溶かす。

反則な気もするが旨味を少し足す。

 

そしてシカ肉を焼いていく。

じゅうじゅうという音が耳においしい。

 

そして長ネギを投下。

これは地元の農家さんが作ったブランドネギ「松本一本ネギ」というもの。

Jのような曲がった形と火を通すととても甘くなることが特徴のネギだ。

今回はそれの規格外品をおすそ分けしていただいた。

ありがとうございます。

 

ネギと肉の表面が焼けたらすき焼きのたれを注ぎその他の具材を入れてしばし煮込む。

 

くつくつと揺れる食材が目においしい。

 

数分後。すべての食材が煮えたようである。

卵を割り、白身と黄身を溶いていく。

少し白身が残るくらいが個人的に好み。

 

 

やはり一口目はシカ肉から。

 

 

ウマァァァァアアアアアアアアイ!!!!!!!!!!!

 

 

イヤーおいしい!すばらしい!

 

牛脂で焼いたことでコクが出ておりさらに甘辛いタレでジビエのアクのようなものが完全に気にならない。

 

いやーおいしい。

 

次にネギ。

 

あぁ…甘い…とろとろだ…

なんておいしいんだ…

 

そしてふっと。

 

ここで最も重要なモノを忘れていることに気が付いた。

 

そう。冷蔵庫で冷やしておいたビール(発泡酒)の存在である。

 

私はその事実に気付いた瞬間。

さながら山を駆けるシカのような跳躍で冷蔵庫までの数mを往復し再びすき焼きの前へ。

 

危ないところだった。

飲まなければ数日間は立ち直れなかったことであろう。

よくやった自分。偉い!

 

シカ肉を摘み丁寧に卵に絡め口の中へ。

口の中に肉を食っている実感とともに旨味があふれる。

そこにすかさずビールを流し込む。

そう、ここが天国である。

 

あとは食材とビールを交互に飲み込む作業である。

すき焼きを6割ほど食べたところでビール(500ml)が終わる。

 

ここからはコメにバトンタッチ。

 

卵液をスキレットの中におもむろに入れ、火を強める。

 

そして卵に火が通ったら炊き立ての新潟県産白米(職場の同僚からおすそ分けしてもらった。ありがとうございます。)の上に載せる。

 

シカすき丼をかき込む。

 

脳内麻薬が分泌されていることを感じながら完食。

 

これでまた一週間戦えそうだ。

 

ジビエ料理を作ろう! シカ肉のすき焼き篇 終)