信州ぐだぐだハンティング

信州生まれ信州育ち6年間不登校だった社会人一年目のひよっこハンターが、ネットや雑誌や人から聞きかじった情報をもとにアウトドア遊びをした活動日記。

カモ撃ちに行こう!パート2

f:id:gokou_ayane:20191210100428p:plain

 

先ほどと同じく伏せ撃ちの態勢を取る。

今回は距離約30m

体の中心に合わせ引鉄を引く。

 

パスッ!

頭に命中。

 

力なく首が曲がる。

銃創が水面についたのかじわじわとカモの周りが赤く濁っていく。

 

すかさずカモキャッチャー改をキャストする。

実は前回は数度投げてやっと引っかかったカモキャッチャーを前日に改良していたのだ。

 

ラインは放物線を描きながらカモの真上を通り5m先に着水。

完璧だ。

 周囲に障害物が無ければ50mくらいなら回収できそうだ

スルスルとラインを巻き取ると無事一回で引っかかり回収できた。

回収したカモを見てみる。

 

ほっぺたに命中していた。

 

その他先輩の弾が着弾したと思われる銃創が2か所お腹に。

腹に弾が入っているので腸抜きをやってみることに。

 

残滓処理(羽根や内臓を埋める)がしやすいように池から少し離れ雑木林に入る。

 

使い捨てゴム手袋を装備しておしりの周りの羽根をむしる。

 

(…?コガモの時とは違う匂いが?)

 

おしりに少し切り込みを入れ、落ちていた木の枝をY字に加工して突っ込む。

 

何回かくるくる巻き付けて引っこ抜く。

 

曲がりくねった小腸が出てくる。

 

途端ムワッとした臭気が。

 

「グブッ!?」

 

コガモの時とは違う生臭い内臓の匂いに驚く。

 

とりあえずすべての小腸を取り出し地面に埋め、キンクロハジロをビニール袋に入れる。

 

(・・・・・)

 

脳裏によぎる不安を無理やり考えないようにして、ほったらかしにしていた先輩ともう1羽のもとへ。

 

「木の下に隠れて出てこないですね。タモ網もカモキャッチャーも使えない場所にいます。」

 

そういって指さした先には細い枝が幾重にも重なった先に避難しているカモの姿が。

先輩の持ってきたタモ網では届かず、私のカモキャッチャーでは投げることのできない絶妙な場所。

 

先輩と私はヤツが移動するまで目の前の岸際をうろうろ。

しびれを切らした先輩は「散弾銃で撃った反動で動かすか…?」と冗談交じりで言う。

 

結局エアライフルで体を撃って動かすことに。

 

バスッ!

翼の先に当たりカモはようやく岸に上がった。

すかさず先輩が捕まえる。

 

まだバタついているカモを羽交い絞めにしてカッターで首を切る。

先輩はカモの放血は初めてだったようで抵抗しつつ最期を迎えるカモを無言で見つめていた。

 

先輩のカモは散弾、エアライフルともに右翼に被弾していたため内臓に弾が入った形跡が無く、午後に所用もあるため腸は抜かずそのまま熟成させてみるとのこと。

 

時間は11時を回っている。

その日の猟は1羽ずつのキンクロハジロで終了。

 

私は先ほどの腸抜きの不安が何か胸にしこりのように残りつつ帰り道の運転に集中した。

 

(カモ撃ちに行こう!終)