シカを捌く。パート1
狩猟解禁日から遡ること10日ほど前。
私のところにハンティングの師匠(勝手に私が思っているだけ)から連絡が。
「明日ちょっと山に行くから手伝ってくれない?山だしハンティングに行く荷物のチェックも兼ねてフル装備で来てよ。鉄砲は持って来ちゃだめだからね。」とのこと。
私は外に着ていきたくてウズウズしていたワークマンで揃えたハンティング衣装上下に身を包み一路待ち合わせの場所へ。
すると師匠のほかに先輩と猟友会の支部長も来ており、支部長の乗ってきていた軽トラの荷台には不自然に膨らんだ緑シートが。
「昨日とれたシカをもってきたよー。メスだから柔らかいよー」
人のよさそうな笑顔で(実際素晴らしい方です!!)
話しながらシートをめくる。
確かにそこには身体に日時が書かれ尻尾のないニホンジカが。
有害鳥獣駆除という狩猟とはまた別の許可でとった場合はこうして行政に報告すると、補助金がもらえるらしい。
師匠「僕が教えるで五更君と先輩君、シカの捌き方覚えよう。」
支部長は帰宅。
師匠によるシカの捌き方講座が始まることになった。
解体現場の市内のとある山中に到着。
師匠「二人とも解体できる刃物ある?」
私はアウトドア用に買ったスウェーデンのモーラ社製のナイフをシカの解体用に転用しようと考えていたためリュックの奥底に入れてあり、ドヤ顔でここぞとばかりに取り出す。
隣の先輩を見ると同じくモーラ社製のナイフを手にしていた。
二人でモーラナイフを装備しシカの解体にうつる。
今回は吊るさず背中の肉いわゆる背ロースの部分を簡単に切り取る方法らしい。
師匠「今回の個体は銃で止め差ししてるでね。解体の時に肉から血が多く出ると思うけどがんばってね。僕はナイフで止め差しするから血はあまり出ないよ。今度わなにかかってたら呼ぶから止め差しからやるじゃん。」
とのこと。
(止め差し、できるかなぁ。)
そんなことをのんきに考えながら
使い捨て手袋をはめて、覚悟を決めて、いざ解体へ。
(シカを捌く。パート2へ続く)